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June 12, 2023
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究極のAS/RS入門ガイド

わかりやすい完全ガイドでは、さまざまな自動倉庫システムについて学ぶことができます。

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自動倉庫システムの歴史

最初のAS/RSは、1950年代にドイツのDemagによって開発されました。Demagは、1962年にBertelsmann出版社のために世界初のAS/RS(完全自動倉庫)を設置しました。このシステムは高さが20mあり、約700万冊の本の保管と取り出しを行うもので、倉庫テクノロジーの新時代の到来を告げるものでした。従来方式の倉庫は、人力によるアクセスを確保するために、棚として利用可能な空間が限られるものであり、広いスペースを必要としていました。Demagの画期的な設計は、自動化と、垂直方向のより大きな保管スペース利用の実現を両立しました。

その後数十年間、AS/RSシステムの基本的な設計は変更されませんでしたが、このテクノロジーは世界中のさまざまなタイプの倉庫に広まりました。特に労働力や土地が不足しがちな地域では高密度ストレージのメリットが明らかでした。1980年代以降、プロセッサーの処理能力の向上と低価格化、そしてコントローラーをはじめとする倉庫制御システム(WCS)ソフトウェアの改良により、AS/RSは倉庫ソリューションの最先端となっています。このような進歩により、Demagの初期の製品に比べてはるかに進化を遂げた今日のAS/RSテクノロジーは、複雑なタスクを管理し、世界中のストレージに革命をもたらしています。

自動倉庫システムとは?

AS/RSは、さまざまなデジタル、ロボット、ラック要素を統合し、多種多様な物品を扱うことができます。物品は、デジタルオートメーションソフトウェアによってまとめて管理されます。AS/RSは、キューブ型保管、自律移動ロボット(AMR)、水平・垂直カルーセル、クレーン、シャトル、垂直リフトモジュール(VLM)、マイクロ、ユニット、ミニロードなどのさまざまなオプションでカスタムできます。これらはすべて、倉庫のもっとも重要な要素である倉庫管理システム(WMS)によって管理されます。

さらに、AS/RSは倉庫の規模を問いません。小規模から大規模、複数拠点の倉庫にも対応し、さまざまなテクノロジーや車両を活用して大量の荷物の取り出しや収納を正確かつ迅速に自動化することができます。コストやスペースが限られ、保管密度が重要視される、物品を加工せずにそのまま保管して大量の物品を扱う倉庫で特に人気があるソリューションです。

AS/RSのメリット

AS/RSは、ニーズにあったシステムへの投資に積極的な企業にさまざまなメリットをもたらします。AS/RSは、最高の精度、効率、生産性を実現し、エラーの発生率は非常に低く、昼夜を問わず大量の物品を取り扱うことができます。また、肉体的に負担の大きい反復作業を軽減し、より生産性の高い業務に労働力を割り当てられるようになります。先進国では、人口の高齢化とそれに伴う労働力不足により人件費が高騰しているため、生産性の高い業務への労働力の割り当てが重要性を増しています。加えて、競争が激化する中、不安定な季節労働者への依存も問題となりつつあります。また、AS/RSテクノロジーは、重い物品を毎日扱う肉体的負荷を軽減し、冷凍庫内のような物理的な要求が厳しい環境でも物品を扱うことができます。さらに、キューブ型保管AS/RSのようなシステムは、従来方式の倉庫よりも高密度の保管が可能で、スペースや不動産コストを大幅に削減できます。

一方で、AS/RSの導入には、作業方法、倉庫のインフラやレイアウトを大きく変える必要があるのも事実です。また、最高のパフォーマンスで稼働させるための定期的なメンテナンスも必要となり、万が一故障が発生した場合には、生産性が低下してラインが停止してしまうこともあります。メンテナンスの必要性と故障に対処する能力は、AS/RS環境によって違いがあります。

自動倉庫システムの仕組み

AS/RSを端的に表すと、在庫や物品を保管して取り出せるように設計された自動システムです。基本的には、フロアスペースの節約、安全性の向上、全体的な生産性の向上を目的として、大きなスペースを占有する棚式倉庫の代わりとなるものです。AS/RSでは、倉庫用ロボットが物品を作業員に届ける(Goods to Person、GTPオートメーション)ため、作業員は歩く必要がほとんどなく、効率、安全性、作業環境が大幅に改善されます。

上述のように、AS/RSには、対象物のサイズや重量、倉庫の目的に応じていくつかの種類があります。テクノロジーも多岐にわたり、ほぼすべての倉庫を自動化できます。企業のニーズに合わせて、ユニットロード、ミニロード、カルーセルベース、垂直リフト、シャトルとロボットを組み合わせて設置できます。これらのパーツはそれぞれ異なりますが、ストレージ構造、物理的自動化、搬送インターフェイス、制御ソフトウェアという4つの重要な要素が共通しています。

一般的に、ロードタイプには主に次の3つがあります。

  • ユニットロードAS/RS(パレットなど)
  • ミッドロードAS/RS(特定の在庫に合わせてカスタマイズ)
  • ミニロードAS/RS(スプリットケースピッキングなど)

これらのロードタイプに加え、以下のようなAS/RSオプションも充実しています。

  • キューブ型保管(AS/RS)
  • ユニットロードAS/RSクレーン(固定通路・可動通路用)
  • ミニロードAS/RSクレーン(固定通路)
  • シャトルAS/RS
  • カルーセルベースのAS/RS
  • 垂直・水平・ロボット型垂直リフトモジュール(VLM) AS/RS
  • マイクロロード(ストッカー)AS/RS
  • 垂直シーケンスシステム(VSM)AS/RS

上記のリストは複雑に見えるかもしれませんが、各パーツは最適化され、制御ソフトウェアを通じて連携し、倉庫を整理します。さまざまな要素の概要とそのバリエーションを以下で紹介します。

キューブ型保管AS/RSは、在庫ビンに保管された製品、それらをまとめて保管するグリッド、在庫ビンを回収して統合ポート(ワークステーション)に配送するロボットの5つのモジュールで構成されます。全てのプロセスはコントローラーによって管理されます。

キューブ型保管(AS/RS)

キューブ型保管AS/RSは、従来方式の棚にあった未使用スペースをなくすことで、高密度のストレージを実現します。わずか5つのモジュールで構成され、物品はアルミグリッド内でブロックのように並べて積み重ねられたビンに保管されます。ロボットは上部に沿ってレールを走行し、システムの指示に従ってビンの掘り起こし、取り出し、ポート(倉庫のワークステーション)への搬送を絶え間なく行います。作業員は、注文処理や在庫補充のためにポートで在庫にアクセスします。その後、ロボットがビンを回収し、グリッドに戻すので、物品は自動的に需要の多い順で配置されます。需要の多い物品は上にとどまり、需要の少ない物品は下に移動するため、高いピッキングスピードを確保することができます。キューブ型保管AS/RSは、高いスペース使用率、モジュール型ロボット、そして設置や拡張が容易なビルディングブロック設計を兼ね備えています。一方で、取り扱う製品はビンに収まるサイズでなければならないという制約があります(例:AutoStoreビンの最大サイズは449mm x 649mm x 425mm)。

キューブ式ストレージにより、従来の棚と棚の間の通路がなくなり、スペースが最適化されている様子を示すイラスト
キューブ式の自動保管・回収システム(AS/RS)は、さまざまなAS/RSシステムの中で最も高い保管密度を提供する。

ユニットロードAS/RS

ユニットロードAS/RSシステムは、重量が1,000~5,000ポンド(約2,267.96kg)の扱いにくく重い荷物に対処できるように設計されています。重量物のパレットに適しており、通常は、狭い通路を備えた背の高いラックに固定通路または可動通路クレーンでアクセスし、保管されている物品を搬送します。パレットを置くスペースが限られている場合や、大きな物品にすばやくアクセスする必要がある場合に適しています。

固定通路・可動通路クレーンユニットロードAS/RS

このシステムでは、設定された通路に沿って垂直・水平方向に移動できる移動式クレーンがパレットラックの狭い通路を利用し、保管されている物品にすばやくアクセスして回収、移動します。固定通路と異なり、可動通路ユニットロードAS/RSは、1台のクレーンが複数の通路に対応するため、通路ごとにクレーンを用意する必要がなく、スペースとコストを節約できます。ただし、移動式クレーンに完全に依存しており、メンテナンス時に通路が利用できなくなるという制約があります。

ミニロードAS/RS

ミニロードAS/RSは、重く大きな物品を扱えるユニットロードシステムとは対照的に、通常は75ポンド以下の比較的小さな物品を扱うのに最適です。多くの場合、トート、トレイ、カートン(またはこれらの要素の組み合わせ)を使用して在庫を高速で搬送するもので、「ケースハンドリング/トートスタッキング」AS/RSとされることもあります。ミニロードAS/RSは、スペースが限られており、従来方式のカートン棚では問題が生じる最小在庫単位(SKU)を扱う場合に有力な選択肢です。また、ピッキングやパッケージングが必要な物品をオーダーする際のバッファとして汎用性の高いオプションでもあり、ピックストレージの補充にも使用できます。これらのシステムは、重量とサイズに制限があるため、他のシステムと比べて汎用性が低くなります。

シャトルベースのAS/RS

このモデルでは、倉庫/ワークスペース内のさまざまなエリア間の通路を走行するシャトルやロボットが物品を水平・垂直方向に搬送します。幅広い階層で稼働し、さまざまな物品をトートやカートンで必要な場所に搬送できます。シャトルは、物品を取り出し、ラックの外側を通ってワークステーションや2次コンベアまで搬送するようになっています。物品と倉庫の要件に応じてさまざまなシステムがあります。メンテナンス時に物品の通路にアクセスできない、他のシステムより多くのスペースが必要、などの制約があります。

AMRベースの高密度AS/RS

自律移動ロボット(AMR)は、独立したロボットを使ってラックを移動し、複数のルートを使って指定されたトートや場所にある物品を取り出します。AMRは、これらのアイテムをオーダー元のワークステーションに搬送してから、次のタスクに取り掛かります。この多目的システムは、柔軟性と効率性に優れています。また、AMRの性質上、需要が増加したときには、AMRユニットを追加することで簡単に拡張できます。このシステムは非常に複雑で、高度なセンサーパッケージとその他の自律的な要素を備えており、高レベルな技術サポートを必要とします。

ゴーファーボットAMR

ホリネズミにちなんで名付けられたゴーファーシステムは、AMRによって下からワークステーションまで移動される、専用設計の棚とラックを使用します。棚は、対象の物品に応じてさまざまなオプション(箱、パレット、吊り下げ配置など)に対応できるように構成できます。AMRは、ユニット全体を持ち上げてワークステーションまで搬送してから、元の位置に戻ります。高密度のストレージソリューションであり、ニーズに合わせて簡単かつ安価に拡張できます。このシステムは、棚を移動し、並べて保管するために、シャトルシステムと同様に、他のシステムより多くのフロアスペースが必要です。

スタッカーボット

新しく開発されたAMR AS/RSスタッカーボットは、棚ラックから複数のトートやケースを取り出し、待機中のコンベア、セカンダリーAMR、ワークステーションに搬送します。搬送と返却を臨機応変に組み合わせることができ、機敏かつ効率的で費用対効果の高いシステムを実現します。ユニットのサイズがさまざまで、搬送のためにより多くのスペースを確保しなければならないため、他のシステムより多くのスペースが必要です。

カルーセルベースのAS/RS

カルーセルベースのAS/RSシステムは、AS/RSの最も古い形態であり、さまざまな物品やストレージオプションを吊り下げるレールで構成されています(衣類を吊り下げているクリーニング店を想像してください)。このシステムは、必要に応じて特定の物品やビンをワークステーションに搬送するために循環します。物品を一列に搬送する水平モデルからビンが上下にループを描いて移動する垂直カルーセルまでさまざまなタイプがあり、高速で移動できる小さな物品に最適です。また、ロボット水平カルーセルAS/RSもあります。これは、最大3階層のカルーセルで構成され、各階層にトートが積載される自動化システムです。拡張が困難で、大きなスペースが必要という制約があります。

垂直リフトモジュール(VLM)

積み重ねられたラックの中央にピッカーがあり、それが前後に移動して注文された物品を選び、ワークステーションやコンベアに搬送するのが特徴です。ワークステーションやコンベアは、多くの場合、ラックスペース内を自由に動くアームに囲まれています。オーダーが完了すると、VLMは収納ユニットを正しい位置に戻してから、次の作業に取り掛かります。トレイ自体は固定式にも可動式にもできるため、複雑な在庫を非常に効率的に管理できます。マイクロロードストッカーはVLMに非常に似ており、バッファリング、シーケンス、ユースポイント商品のためにAS/RSを必要とする高密度倉庫に最適です。マイクロロードストッカーは、囲まれたストレージグリッド内で稼働し、ビンをコンベアに搬送する一連のロボットなどで構成されます。VLM/ストッカーは、通路ベースのクレーンと同様に、特定の構成品に強く依存しているため、メンテナンス中にシステムが停止する可能性があります。

垂直シーケンスモジュール(VSM)

回収されたビンを順番に並べるシステムで、高密度・大容量の倉庫スペース向けの効率的なソリューションを提供します。AMRやコンベアなどの別のシステムで回収し、特定の順序で配送することが可能です。このシステムは、既存のAS/RS設備の拡張として追加することもでき、効率性と生産性が向上するとともに、必要なフロアスペースを削減できます。上記のVLMと同様に、メンテナンス中に特定の構成品が作動しなくなると遅延が生じる可能性があります。

結論

AS/RSシステムは発明されてから大きく進化しており、ストレージ密度と効率性を向上させ、人件費を削減することで倉庫の運用を一変させました。AS/RSシステム導入を検討する際には留意すべき要素がいくつかあり、オーダーメイドのAS/RSソリューションは多様なシステムを組み合わせて構成できます。システムの中には、複雑で、倉庫の建物自体に大きな変更が必要なものがあります。一部の主要な構成品に依存するシステムは、メンテナンス時にダウンタイムが発生しやすい傾向があります。一方で、より多くのフロアスペースを必要とするシステムは、拡張が困難な場合や、都市部のような土地コストの高い地域には不向きな場合があります。

AS/RSシステムが手作業で運用される倉庫よりはるかに優れていることは間違いありません。これらのシステムは、オートメーション、ロボット工学、デジタル制御を活用して、スペース、精度、生産性を最適化します。しかし、円滑な運用で長期的にAS/RSテクノロジーのメリットを最大限に発揮するためには、メンテナンス要件やシステムの制限について慎重に検討することが不可欠です。

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